オンライン診療はスマホやパソコンで手軽に医師の診察を受けられる便利なサービスですが、利用したいと思っても「料金が高い」と感じて躊躇する方も少なくありません。
本記事では、オンライン診療の費用の仕組みや対面診療との違いをわかりやすく解説します。料金が気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
オンライン診療の料金は高い?実際の費用内訳を解説
オンライン診療は通院の手間が省ける便利なシステムですが、実際の料金について不安を抱える方もいます。オンライン診療の基本料金は対面診療と同じように保険診療のルールに基づいて計算されますが、受診するクリニックやサービスによっては追加費用がかかることがあります。
オンライン診療で発生する料金の要素には、診察料のほかにシステム利用料や薬の配送料などがあります。
以下の各項目で、オンライン診療で払う可能性のある費用とその目安について見ていきましょう。
診療報酬点数と自己負担額
オンライン診療でも診察料(=医師の診療報酬点数に基づく料金)は保険適用されます。初診の場合、オンライン診療では標準で約2,510点(約2,510円)に相当し、対面診療の約2,910点より少し安く設定されています。再診料はオンライン・対面ともに750点前後とほぼ同じです。
患者負担額(3割負担の場合)で見ると、オンライン診療の初診料は約750円、対面診療は約870円程度となります。つまり、診察料そのものはオンライン診療の方が安いかほぼ同等です。
システム利用料とは
システム利用料はオンライン診療を行うために必要なシステムの利用費です。オンライン診療では通常、医療機関が導入している専用システムを使って診察を行うため、その維持にかかる費用が発生します。
実際の金額はクリニックによって異なりますが、おおむね1回あたり数百円~2,000円程度が相場です。中にはシステム利用料を無料としている医療機関もありますので、利用前に確認すると安心です。
薬の配送料について
オンライン診療で処方された薬は、遠隔で受診した患者が薬局に足を運ばなくても済むよう、自宅等に郵送されることが一般的です。配送を依頼すると、薬の代金に加えて配送料が発生します。
配送料は薬局によって設定が異なりますが、一般的には数百円~1,000円程度です。自分で薬局に取りに行けば配送料はかからないため、必要に応じて受け取り方法を選びましょう。
オンライン診療と対面診療の料金比較
次に、オンライン診療と対面診療でかかる費用を直接比較します。先述したように診察料自体はほとんど同じかオンライン診療の方が安くなる場合もあります。しかし、システム利用料や配送料を含めると総額が変わってきます。
さらに、通院時に発生する交通費や待ち時間などを踏まえると、オンライン診療のほうがお得になることもあります。
初診料・再診料の違い
例えば、保険診療で自己負担1割の場合、オンライン診療と対面診療の受診費用には以下のような違いがあります。通常、オンライン診療の初診料は約2,510円(約2,510点の1割相当)に対し、対面診療は約2,910円(約2,910点の1割相当)となり、オンラインの方が若干安く設定されています。一方、再診料は両者とも約750円(約750点の1割相当)でほとんど同額です。
診察内容(1割負担) | オンライン診療 | 対面診療 |
---|---|---|
初診料 | 約2,510円 | 約2,910円 |
再診料 | 約750円 | 約750円 |
このようにオンライン診療(自己負担1割の場合)では初診料がおよそ2,510円、対面診療では約2,910円となります。再診料は両者とも約750円でほとんど差がありません。最近の診療報酬改定によりオンライン診療の診療報酬点数が対面診療の約9割に引き上げられたため、料金の差はより小さくなっています。
追加費用を含めた比較
ただし、先ほど説明したシステム利用料や薬の配送料を合計すると、オンライン診療の実質的な負担が対面診療と同程度またはそれ以上になることがあります。とはいえ、システム利用料が無料のクリニックや配送料が安いサービスを選べば、追加負担を抑えることができます。
通院にかかる交通費・時間の節約効果
一方、オンライン診療は通院時間や交通費を大きく節約できる点でメリットがあります。例えば対面診療で片道500円の電車賃と1時間の移動時間がかかるケースでは、それが月1回なら年間で大きな負担になります。オンライン診療を利用すれば自宅から診察を受けられるため、交通費や外出の手間、待ち時間を削減できます。特に慢性疾患で定期受診が必要な方や、小さいお子さんがいる家庭などでは、通院が楽になる分、生活全体の負担が軽くなるでしょう。
オンライン診療で保険は使える?保険適用時の費用負担
オンライン診療でも、条件を満たせば保険診療で受けることができます。オンライン診療が保険適用される主な条件は、医師が症状を十分把握できる範囲の診療であることや、病状が安定していることなどです。2022年の診療報酬改定以降、オンライン初診の規制が緩和され、利用しやすい環境になっていますが、それでも保険適用の可否は病状や診療内容によって異なります。
保険適用される条件とは
オンライン診療でも保険を使うには条件があります。基本的に対象となるのは、医師が症状を把握できる範囲の安定した状態の診療です。例えば、以下のようなケースが保険適用になることが多いです:
- 高血圧や糖尿病などの慢性疾患で、症状が安定している場合
- 喘息やアトピー性皮膚炎など、定期的に通院し治療を受けている病気で症状が落ち着いている場合
いずれも既に診断が確定しており、医師がオンライン診療で問題なく診察できると判断すれば保険適用となります。オンライン診療でも通院歴がある安定した状態が前提で、急性の病気や重篤な症状の場合は対面での診察が優先されることがあります。
保険適用時の自己負担額
保険適用になれば、オンライン診療の診察料は一般的な医療費と同じ計算になります。自己負担割合によって差はありますが、たとえば3割負担の成人で初診診察料約2,510円の場合、患者負担は約753円になります。再診の自己負担額も対面診療と同様で、数百円程度です。薬代も保険適用なら通常どおりの負担で済むため、大きな差はありません。
保険適用外の費用は?
なお、保険適用外(自費診療)になると、診察料は全額自己負担となります。自費診療の場合、クリニックによっては初診料が数千円~1万円以上に設定されていることもあります。加えてシステム利用料や配送料も自己負担となるため、結果的に費用は高額になります。保険が適用されないサービスを利用するときは、事前に料金体系をよく確認しましょう。
オンライン診療をお得に使うポイント
オンライン診療をお得に利用するためのコツをいくつか紹介します。特に次の3点を意識すると良いでしょう。
- システム利用料が無料または安いクリニックを選ぶ
- 薬の受け取り方法を工夫して配送料を節約する(例:近所の薬局受け取り)
- 支払いはクレジットカードでポイントを活用する
これらを組み合わせることで、オンライン診療の料金負担を軽減できます。実際に受診する前にクリニックのホームページなどで料金体系や特典を調べておくと安心です。
まとめ
オンライン診療の料金は一見すると高く感じるかもしれませんが、実際には診察料そのものは対面診療と同等か安いことがほとんどです。追加費用を含めても、適切にクリニックを選んで利用すれば負担を抑えられます。
何より、交通費や時間の節約などメリットも大きいため、総合的にはオンライン診療が便利な方法です。気になる場合はまず保険適用の可否や追加料金の有無を確認し、安心して活用してください。