夜勤明けでクタクタなのに、家に帰れば育児が待っている。イライラして子どもに強く当たってしまい、後で涙が出るほど後悔する。そんな自分が嫌になって、仕事も子育ても投げ出したくなることはないでしょうか。
本記事では、看護師として働きながら子育てをしている方が抱えやすい後悔や疲れの正体を整理し、現実的に実行しやすい対処法と働き方の選択肢を専門的な視点から解説します。今のつらさを和らげ、これからのキャリアと子育ての両方を守るヒントとして活用して下さい。
目次
看護師 子育て 後悔 疲れた と感じるのはなぜか
看護師として働きながら子育てをしていると、多くの方が一度は「何のためにここまで頑張っているのだろう」と空虚さを感じます。患者さんには笑顔で丁寧に接しているのに、わが子には余裕を失ってきつく当たってしまい、「子どもにかわいそうなことをしている」「こんなに疲れるなら仕事を続けなければよかった」といった後悔が積み重なりやすいのが特徴です。
さらに、看護師の仕事は肉体的負担だけでなく、命を預かる精神的プレッシャーも大きく、睡眠不足や不規則勤務と相まって、一般的なワーキングママ・パパよりバーンアウトに陥りやすい傾向があります。ここでは、なぜ「看護師 子育て 後悔 疲れた」という状態になりやすいのか、その背景を整理していきます。
看護師特有の勤務形態と疲労の蓄積
看護師の勤務は、二交代や三交代などのシフト制が中心で、早番・遅番・夜勤が入り混じります。体内時計が乱れやすく、睡眠の質も量も十分に確保しづらいため、慢性的な睡眠不足に陥る方が少なくありません。とくに乳幼児がいる時期は、夜間授乳や夜泣きへの対応が重なり、実質的に深く眠れる時間は数時間程度というケースも多いです。
また、急変対応やインシデントへの緊張感、感染対策や医療安全への意識など、常に高い集中力を求められるため、勤務が終わって自宅に戻っても心と体が休まらないまま、家事と育児がスタートします。このような状況が続くと、一見「慣れている」ように見えても、実際には疲労が蓄積し続け、ある日突然何もやる気が起きない、涙が止まらないといった状態に陥ることがあります。
子どもに十分向き合えない罪悪感
看護師は対人援助職であり、患者さんへのケアや家族支援に高い意識を持っている方が多い分、自分の子どもに対しても「もっと丁寧に関わるべき」「発達に良い環境を整えたい」と理想が高くなりがちです。ところが現実には、仕事と家事で体力を使い切ってしまい、寝かしつけの絵本も途中で一緒に寝てしまう、休日も疲れが抜けず家でゴロゴロしてしまう、といったことが起こります。
この「理想の育児」と「現実とのギャップ」が強い罪悪感を生み、「こんな母親(父親)でごめんね」「自分が看護師を続けているせいで子どもに我慢をさせている」という思考につながります。罪悪感は、疲労感や無力感をさらに増幅させるため、「疲れた」の一言では表現しきれない心身の重さを感じる要因になっていきます。
完璧主義・責任感の強さが裏目に出る
医療現場では、わずかなミスが患者さんの安全に直結するため、教育の段階から「責任感」「報連相」「確認」の重要性を叩き込まれます。その結果、看護師にはきっちりした性格や完璧主義傾向の方が少なくありません。この特性は臨床の場では大きな強みですが、家庭に持ち込まれると「家事も育児も仕事と同じレベルで完璧にこなさなければ」と自分を追い込む原因になります。
例えば、子どもの食事は栄養バランスを理想通りに整えたい、家は常に片付いているべき、保育園の準備は抜け漏れゼロにしたい、とすべてを自分で管理しようとすると、体力も時間も足りません。それでも「他のママはもっと頑張っているはず」と自分を責め続けることで、心身が限界を超えてしまい、「もう疲れた」「仕事も子育てもやめたい」と感じる状態に陥りやすくなるのです。
看護師ママ・パパが抱えやすい具体的な悩み

看護師として働きながら子育てをする中で、「なんとなくつらい」「疲れた」という漠然とした感覚の裏には、いくつかの典型的な悩みパターンがあります。これらを言語化して整理することで、自分がどこで特につまずいているのかを把握し、優先的に対処すべきポイントを見極めやすくなります。
ここでは、臨床で働く看護師ママ・パパからよく聞かれる具体的な悩みを取り上げます。どれも少なからず多くの人が経験している内容ですので、「自分だけがおかしいのではないか」と感じている方は、まずは同じような悩みを抱える人が大勢いることを知るところから始めてみて下さい。
夜勤と保育園の両立がうまくいかない
夜勤のある勤務形態は、保育園や学童の開所時間と生活リズムが合いにくいことが大きな課題になります。夜勤前に子どもを預けてから出勤すると、送迎と勤務の間がタイトになり、トラブル対応や引き継ぎで退勤が遅れれば、延長保育の時間を超えてしまう不安もつきまといます。
さらに、夜勤明けで子どもを迎えに行った後、ほとんど眠れないまま日中の育児をこなす生活が続くと、心身の限界が近づきます。自治体によっては、夜勤専門の保育サービスや24時間保育を行う園もありますが、居住エリアや定員の問題で利用が難しいことも多いのが現状です。その結果、「結局自分が無理をするしかない」と思い込み、耐えきれなくなって退職を選ぶケースも少なくありません。
仕事と家事育児のキャパオーバー
日勤で帰宅してから、夕食作り・片付け・洗濯・お風呂・寝かしつけとタスクが連続する中で、子どもの機嫌が悪かったり、イヤイヤ期にさしかかっていたりすると、予定していた段取りは簡単に崩れます。加えて、保育園からの連絡帳や持ち物の準備、小学校に上がれば宿題のチェックや提出物の確認など、目に見えにくい「名もなき家事」が増えていきます。
看護師は勤務中に多くの業務を同時進行でこなすマルチタスクに慣れている一方、家庭ではサポートしてくれる同僚や上司はいません。すべてを自分一人で抱え込もうとすると、「キャパオーバー」状態になり、些細なことでイライラしたり、感情のコントロールが難しくなります。この状態が続くと、うつ状態や燃え尽き症候群につながるリスクもあるため、早めの対処が重要です。
キャリアと子育てのどちらを優先すべきか迷う
看護師としてスキルアップしたい気持ちと、子育てにしっかり向き合いたい気持ちの板挟みになっている方も多くいます。管理職や認定看護師、専門看護師を目指す場合、勉強時間の確保や研修参加など、子育て中には負担が大きい要素が増えます。一方で、「今ここでキャリアのチャンスを逃したら、二度と巡ってこないのでは」という不安も生じます。
結果的に、どちらにも全力を注げない感覚を抱き、「中途半端な親」「中途半端な看護師」と自分を評価してしまうことがあります。しかし、人生は長く、キャリアの築き方や働き方は一つではありません。本当は、「今は子育てを優先する時期」「数年後に再チャレンジする」など、ライフステージに合わせた長期的な視点が重要ですが、日々の忙しさの中ではその余裕を持つことが難しいのが現実です。
「後悔している自分」を責めないための考え方

子育ても仕事も思い通りにいかない中で、イライラして子どもにきつく当たってしまったり、仕事を休んでしまったりすると、多くの人は真っ先に自分を責めてしまいます。しかし、自己否定が強まるほど、心のエネルギーは消耗し、「もう何もしたくない」という状態に近づいていきます。
ここでは、「看護師 子育て 後悔 疲れた」と感じている自分自身を、少しだけでも受け入れられるようになるための考え方を整理します。自責の悪循環を断ち切ることは、具体的な解決策に取り組む前提としてとても重要です。
後悔は「うまくやりたい」という気持ちの裏返し
後悔の気持ちが生まれるのは、「本当はもっと良くしたかったのに、理想通りにできなかった」というギャップがあるからです。つまり、「子どもを大切にしたい」「仕事も丁寧にやりたい」という前向きな価値観があるからこそ、後悔が生じます。
この視点に立つと、「後悔している自分」は決してダメな親・ダメな看護師ではなく、「それだけ大事に思っているからこそ苦しい」という、むしろ感受性の高さと責任感の強さの表れだととらえることができます。自分を責める材料ではなく、「自分が何を大切にしたいのか」を教えてくれるサインとして、後悔の気持ちを眺めてみることが、心を少し軽くするきっかけになります。
他人と比較しないための視点
疲れ切っている時ほど、SNSやママ友・同僚の話が目に入りやすく、「あの人は仕事も育児も楽しそうにこなしているのに、自分はなぜできないのだろう」と落ち込みがちです。しかし、他人の生活はあくまで表面的な一部しか見えておらず、実際にはそれぞれの家庭ごとにサポート環境や経済状況、子どもの特性など前提条件が大きく異なります。
比較するなら、他人ではなく「昨日の自分」と比べてみて下さい。昨日より5分でも多く子どもと笑えた、少しだけ早く寝られた、夕食を簡単に済ませられた、など小さな変化に目を向けることで、「完璧ではないが、少しずつ前に進んでいる自分」を認めやすくなります。看護師としての評価基準をそのまま家庭に持ち込まず、「家庭の評価軸」はもっと緩やかでよいと意識的に切り替えることが大切です。
「できていること」に目を向けるセルフチェック
自分を責めやすい方に有効なのが、「できていないこと」ではなく「できていること」を意識的に書き出すセルフチェックです。例えば、今日一日を振り返り、
- 子どもを無事に保育園へ送り届けた
- 仕事で患者さんの不安を一つ減らせた
- 簡単でも食事を用意した
- イライラしながらも、子どもをお風呂に入れた
といった事実をノートやスマホにメモしてみます。
こうした日常の「当たり前」は、実は十分に価値のある行動ですが、完璧主義の人ほど意識に上りにくいものです。数日続けてみると、「思った以上に自分は動いている」「何もしていないわけではない」と気づけるようになり、自責感が和らぎやすくなります。このセルフチェックを一日の終わりの小さな習慣にすることで、心のクッションを少しずつ厚くしていくことができます。
今すぐできる「疲れた」を軽くする具体的な対処法
考え方を整えることと並行して、日常生活の中で「疲れた」を物理的に軽くする工夫も重要です。看護師の仕事と子育ては、どちらも負担をゼロにはできませんが、すべてを自分一人で抱え込む前提を手放し、仕組みや環境を変えることで、実際の負担を減らすことは十分可能です。
ここでは、特別な道具や費用をあまりかけずに始められる、現実的な対処法を紹介します。できそうなものから一つずつ試していくことが、長期的な心身の健康を守るうえで大きな意味を持ちます。
家事の徹底的な省エネ化
まず見直したいのは、家事を「きちんとやるべきこと」から「最小限でいいこと」へ認識を変えることです。例えば、平日の料理は冷凍食品や総菜、ミールキットを積極的に活用し、手作りにこだわりすぎない、洗濯は毎日ではなく2日に1回にする、掃除はロボット掃除機やウェットシートに頼るなど、基準を一段階落とすだけで、負担は大幅に減ります。
また、家事を工程ごとに細かく分けて、「自分でなくてもできる部分」を洗い出すことも有効です。パートナーや上の子に任せられる部分は譲り、外注サービスも選択肢に入れることで、「自分が全部やらなければ」という思い込みから解放されていきます。家事の質を下げることは、決して家族への愛情が減ることではなく、「家族みんなが健やかに暮らすための戦略的な省エネ」だと捉えて下さい。
睡眠時間と休息の確保を最優先にする
心身の疲労が限界に近づいている時、最も効果的な対処は「睡眠と休息を確保すること」です。しかし看護師ママ・パパの多くは、「自分だけ休むわけにはいかない」と考え、休息を後回しにしがちです。これをあえて逆転させ、「自分が倒れたら家も仕事も回らないからこそ、自分の睡眠は優先度が最も高い」と位置づけることが重要です。
具体的には、夜の家事を一部翌朝に回してでも30分早く寝る、休日は「家事の日」ではなく「休息の日」と割り切る、子どもと一緒に昼寝をするなど、小さな工夫で睡眠時間を積み上げていきます。また、スマホやテレビの使用時間を見直し、寝る前30分は画面から離れることで睡眠の質を上げることも効果的です。睡眠負債が少しずつ解消されると、同じ業務量でも「疲れた」の感じ方が変わってくるはずです。
パートナーや家族との役割分担の見直し
配偶者や同居家族がいる場合は、役割分担の再交渉が大きな鍵になります。多くの家庭では、慣習的に母親側に家事育児の多くが偏っていることが多く、「頼めばやってくれるけれど、言うのが面倒で自分でやってしまう」というパターンが繰り返されています。
役割分担の話し合いをする際は、「あなたが手伝ってくれない」という責める表現ではなく、「自分の心身が限界で、このままだと仕事も続けられないかもしれない」という事実を共有し、具体的に何をどの頻度で分担してほしいのかを明示することが大切です。家事リストを作り、誰が何を担当するかを見える化することで、お互いの負担感の認識を合わせやすくなります。
また、祖父母など周囲の協力を得られる場合は、「完全に任せる」のではなく「週に1回の送り迎えだけお願いする」など、限定的な役割を依頼することで、双方の負担と不安を減らしやすくなります。
働き方を見直すことで楽になる選択肢

日常の工夫だけでは限界を感じる場合、働き方そのものを見直すことも現実的な選択肢です。かつては「看護師は忙しくて当たり前」「子育て中はパートで我慢するしかない」といった風潮もありましたが、近年は多様な勤務形態や職場環境が増えつつあります。
ここでは、子育て中の看護師が取りやすい働き方の選択肢と、それぞれのメリット・デメリットを整理します。自分と家族の状況に合ったスタイルを検討することで、「今の職場を続けるか辞めるか」の二択ではない道が見えてくるはずです。
日勤常勤・夜勤免除という選択
子育て中の看護師がまず検討しやすいのが、「日勤常勤」や「夜勤免除」の働き方です。夜勤を外すことで、体力的負担と生活リズムの乱れが大きく軽減されます。一方で、夜勤手当がなくなるため収入は減少する可能性が高く、家計とのバランスを考慮する必要があります。
日勤常勤を希望する際は、育児短時間勤務制度の有無や、残業時間の実態も重要なポイントです。「日勤でも連日残業で結局子どもとの時間が取れない」という事態を避けるため、部署異動や院内保育所の利用なども含めて検討しましょう。以下のように、代表的な働き方の違いを整理してみると、自分の優先順位を決めやすくなります。
| 働き方 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 日勤常勤(夜勤なし) | 生活リズムが整いやすい 体力的負担が減る |
夜勤手当がなく収入減の可能性 日中の保育時間が長くなる |
| 非常勤・パート | 勤務日数や時間を調整しやすい 家庭の予定に合わせやすい |
賞与や退職金がない場合もある 将来の昇進・キャリア形成に影響 |
| 派遣・単発 | 期間やシフトを柔軟に選べる 高時給の案件もある |
収入が不安定になりやすい 職場になじみにくいことも |
非常勤・パート・派遣という働き方
フルタイム勤務が難しい場合は、非常勤やパート、派遣という選択肢も視野に入ります。週3日勤務や短時間勤務など、自分と家族の負担が少ない枠組みを選ぶことで、心身の余裕を取り戻しやすくなります。とくに保育園や小学校低学年のうちは、勤務日数を意図的に減らすことで、子どもの体調不良や行事にも対応しやすくなります。
ただし、非常勤や派遣は、賞与・昇給・退職金・社会保険などの条件が常勤と異なる場合があります。目先の疲労軽減だけでなく、中長期的な家計やキャリアプランも含めて検討することが大切です。「今は子育て優先の時期」と位置づけて、数年後に再び常勤へ戻るというキャリアの波を前提に考えることで、心理的な割り切りもしやすくなります。
病棟以外のフィールドも検討する
「看護師=病棟勤務」とイメージしがちですが、近年は院内外にさまざまな働き方が広がっています。例えば、外来・透析室・手術室・検診センター・企業の健康管理室・保育園看護師・訪問看護など、夜勤が少ない、あるいは無い職場も増えています。
それぞれに求められるスキルや働き方の特徴は異なりますが、病棟とはまた別のやりがいを感じられるケースも多くあります。今の働き方に強い負担を感じている場合は、「看護師を続けるか辞めるか」ではなく、「看護師としてどのフィールドで働くか」を柔軟に考えることが重要です。転職を検討する際には、勤務時間だけでなく、残業の実態や子育て世代の在籍状況、急な休みに対する理解度なども、見学や面接で具体的に確認するとよいでしょう。
支援制度や相談窓口を上手に活用する
一人で抱え込まず、利用できる支援制度や相談窓口を活用することも、疲労と後悔を軽くする重要な要素です。現在、多くの医療機関や自治体では、子育て中の看護師を含む働く親を支えるための制度が整備されつつありますが、実際には「制度の存在を知らない」「遠慮して使っていない」ケースが少なくありません。
ここでは、代表的な制度や相談先を整理し、「頼ることも立派なセルフケアである」という視点をお伝えします。
職場の両立支援制度を確認する
まずは、勤務先の就業規則や人事部門が案内している両立支援制度を確認してみて下さい。多くの病院では、育児短時間勤務、子の看護休暇、時間単位の有給取得、深夜業の免除など、法律で定められたものに加え、独自の支援策を設けている場合があります。
制度を利用することで、一時的に収入が減ることや、同僚へのしわ寄せを心配する声もありますが、長期的に見れば、燃え尽きて退職してしまうリスクを下げることにつながります。上司との面談時には、「制度利用=わがまま」ではなく、「長く働くための調整」と位置づけ、具体的な働き方の希望と業務分担の工夫を一緒に考えてもらう姿勢が重要です。
自治体の子育て支援サービスを使う
自治体ごとに、子育て世帯向けの一時預かり事業やファミリーサポートセンター、病児・病後児保育、子育て相談窓口などが設けられています。とくに病児・病後児保育は、子どもの急な発熱で仕事を休み続けざるを得ない状況を軽減するうえで大きな助けになります。
また、ファミリーサポートセンターでは、送迎や一時預かりなどを地域の支援会員が有償で手伝ってくれる仕組みがあり、夜勤前後のサポートとして活用できるケースもあります。これらのサービスは、申し込みや事前登録が必要なことが多いため、余裕のある時期に情報を収集し、「いざという時に使えるカード」を増やしておくことが安心材料になります。
メンタル面の相談先を確保しておく
疲れや後悔の気持ちが続き、「眠れない」「食欲がない」「涙が止まらない」「仕事に行けない」といった状態が見られる場合は、メンタルヘルスの専門家への相談も検討すべきサインです。職場に産業医やEAP(従業員支援プログラム)がある場合は、匿名でカウンセリングを受けられることもあります。
また、自治体の保健師による相談や、医療機関の心療内科・精神科・児童精神科なども選択肢です。「この程度で相談していいのだろうか」と迷う必要はありません。早期に相談した方が、短期間の休養や環境調整で回復しやすくなります。専門家に気持ちを言語化してもらうことは、自分を責めすぎてしまう傾向のある看護師にとって、大きな支えになることが多いです。
パートナーシップと職場の理解を育てるコミュニケーション
子育てと看護師の仕事を両立するうえで、周囲とのコミュニケーションは避けて通れません。とくに、パートナーと職場の上司・同僚との関係性は、日々の負担感や孤立感に大きく影響します。「忙しいのはみんな同じだから」と抱え込まず、状況を正しく伝え、協力を得るためのコミュニケーションを意識することが重要です。
ここでは、パートナーシップと職場との対話のポイントを整理します。
夫婦で「理想の家族像」をすり合わせる
夫婦間で家事育児の分担について話す時、「どちらがどれだけやっているか」の量だけに焦点を当てると、感情的な対立になりやすくなります。それよりも先に、「どんな家族でありたいか」「子どもにどんな環境を提供したいか」といった理想像を共有することが有効です。
例えば、「親がいつも疲れ切ってピリピリしているより、多少家が散らかっていても笑顔が多い家庭がいい」「経済的な安定も大切だが、子どもが小さいうちは一緒に過ごす時間を優先したい」など、お互いの価値観を出し合います。そのうえで、「では、それを実現するために、仕事と家事育児をどう配分するか」を一緒に考えていくと、対立ではなく協力的な話し合いになりやすくなります。
職場には「事情」ではなく「必要な配慮」を伝える
上司や同僚に子育ての状況を伝える際、「家庭の事情」を長く説明しても、相手には具体的にどう配慮すればよいかが伝わりにくいことがあります。そこで意識したいのが、「現状」と「必要な配慮」をセットで簡潔に伝えることです。
例えば、「子どもが保育園に通い始めたばかりで、体調を崩しやすく、急な呼び出しが続いている。しばらくの間、日勤の残業を減らしてもらえるとありがたい」「夜勤明けに一旦帰宅してから保育園へ迎えに行く必要があり、夜勤回数を月4回までに調整できないか」など、具体的なニーズを提示します。
その際、「負担をかけて申し訳ない」という気持ちから、必要なことを言い出せずに我慢してしまう方も多いですが、長く働き続けるための建設的な相談だと捉え、自分と家族を守るための交渉を行っていきましょう。
同じ立場の仲間とのつながりを持つ
同じように看護師として働きながら子育てをしている仲間とのつながりは、精神的な支えになります。職場の先輩や同期で子育て中の人がいれば、愚痴だけでなく、具体的な工夫や失敗談も含めて情報交換ができます。
また、地域の子育てサロンやオンラインコミュニティなどで、医療職ママ・パパが集まる場を見つけるのも一つの方法です。「うちだけが大変なわけではなかった」「あの人も同じことで悩んでいた」という実感は、自分を責めがちな心にとって大きな安心材料になります。必要であれば、「看護職向けのキャリア相談」など専門性のある場も活用しながら、一人で抱え込まない環境を整えていくことが大切です。
まとめ
看護師として働きながら子育てをしていると、「看護師 子育て 後悔 疲れた」という言葉に、言い尽くせない思いが詰まっていると感じる方が多いと思います。夜勤や不規則勤務による体力的負担、子どもと十分に向き合えない罪悪感、キャリアと家庭の板挟み、そして完璧主義ゆえの自己否定。どれも、あなたが仕事にも子育てにも真剣に向き合っているからこそ生まれる葛藤です。
本記事でお伝えしたように、家事の省エネ化や睡眠の優先、パートナーとの役割分担の見直し、働き方やフィールドの変更、支援制度や相談窓口の活用など、負担を和らげるためにできる工夫は少しずつでも積み重ねることができます。後悔している自分を責めるのではなく、「それだけ大切に思っているからこそ、つらいのだ」と認め、小さな一歩から環境を変えていくことが大切です。
今、疲れ切っているあなたが、少しでも心身の余裕を取り戻し、自分なりのペースで看護師としての仕事と子育てを続けていけるよう、今日できそうなことを一つだけ選んで実行してみて下さい。その一歩が、数年後に振り返った時、「あの時あきらめなくてよかった」と思える未来につながっていきます。