看護師の日勤のみだと給料は安い?収入アップを図る方法はあるのか?

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看護師

夜勤の負担がつらく、日勤のみで働きたいと考える看護師は少なくありません。
一方で、日勤のみになると給料が大きく下がるのではないかと不安を感じる方も多いです。
この記事では、日勤のみ看護師の給料が安いと言われる理由や、平均的な年収の目安、働き方による収入の違いを整理しながら、無理なく収入を維持・アップするための具体的な方法を解説します。
転職や働き方の見直しを検討している方が、後悔しない選択をするための判断材料として活用できる内容になっています。

看護師 日勤のみ 給料 安いと言われるのはなぜか

看護師が日勤のみで働くと給料が安いと言われる背景には、夜勤手当の有無や勤務体制、配置基準など複数の要因が関係しています。
とくに病院や施設では、深夜帯や準夜帯の勤務に対して法令で定められた割増賃金や独自の夜勤手当が支給されるため、夜勤に入るかどうかで年収に大きな差が生じます。
日勤常勤に切り替えた途端、手取りが数万円下がって驚くケースも珍しくありません。

また、日勤のみのポジションは子育て世代やワークライフバランスを重視する看護師からの人気が高く、求人倍率も比較的高い傾向があります。
その結果、夜勤ありと比べると基本給や各種手当を抑えても人材確保がしやすく、企業側が待遇を上げにくい構造も存在します。
こうした背景を理解したうえで、どの程度の収入差が生じるのか、どこまでなら自分が許容できるのかを具体的に考えることが重要です。

夜勤手当がなくなることによる収入減

病院勤務の常勤看護師の年収を押し上げている最大の要素は夜勤手当です。
一般的な急性期病院では、1回あたりの夜勤手当が概ね7,000円から15,000円程度に設定されており、月4回から8回程度の夜勤に入ることで、月収が3万円から10万円ほど増えるケースが多く見られます。
この部分が丸ごとなくなるのが日勤のみへの変更です。

仮に夜勤手当が月6万円あった看護師が日勤のみになれば、単純計算で年間72万円の収入減になります。
賞与も基本給連動であることが多いため、夜勤回数による影響はやや間接的となるものの、総年収ベースでは100万円近く差が出ることもあります。
そのため、日勤のみの収入を検討する際は、現在の給与明細から夜勤関連の手当を切り離してシミュレーションしておくことが重要です。

日勤のみ求人に応募が集まりやすい構造

日勤のみの求人は、家庭との両立を図りたい看護師や、体力的な負担を減らしたい看護師にとって魅力的な条件です。
そのため、夜勤ありの病棟求人と比べると応募希望者が多く集まりやすく、雇用側にとっては給与水準を大きく上げなくても人材確保が可能なポジションとなりやすい特徴があります。
需要と供給のバランスを考えると、どうしても日勤のみは相対的に低い給与水準に落ち着きがちです。

また、日勤のみのポストは患者数が限られるクリニックや外来部門、介護施設など、収益構造自体が急性期病院とは異なる職場に多いことも要因です。
診療報酬や介護報酬の枠組みの中で人件費率を調整する必要があるため、ベースとなる給与レンジ自体が夜勤あり病棟より低くなっているケースも見受けられます。
こうした背景を理解することで、安いからダメと決めつけるのではなく、自分の優先順位とのバランスで判断しやすくなります。

病院とクリニック・介護施設での賃金構造の違い

日勤のみの勤務先としてよく比較されるのが、病院外来や手術室、健診センターといった医療機関内の部署と、クリニックや介護施設、訪問看護などの在宅・福祉領域です。
病院内の日勤部門は、夜勤こそないものの、法人全体としては入院加算や各種診療報酬を背景とした安定収入を得ていることが多く、基本給水準は比較的高めに保たれていることがあります。

一方、クリニックや介護施設は外来診療や介護報酬が収入の柱となり、病院と比べると規模が小さく利益の幅も限られがちです。
そのため、看護師の給与も病院常勤よりやや低いレンジに設定されることが多く、日勤のみ希望者が多いことも相まって、年収ベースで50万から100万円程度の差が出る場合もあります。
ただし、職場により大きく異なるため、業種だけで判断せず具体的な条件を比較検討することが大切です。

日勤のみ看護師の平均年収と夜勤ありとの比較

日勤のみ看護師の年収水準を把握するには、看護師全体の平均値と、日勤限定の求人条件を照らし合わせて考える必要があります。
統計上、看護師全体の平均年収はおおよそ480万円前後とされ、夜勤を含む常勤病棟勤務がこの数字を押し上げています。
これに対し、日勤のみを条件とする求人では、400万円前後にレンジが下がる例が多く見られます。

もちろん、地域差や経験年数、役職の有無、法人規模によってばらつきは大きく、一概にいくらとは言えません。
しかし、夜勤あり常勤から日勤のみへ変更した際に、手取りで月3万円から8万円程度の減収となるケースが一定数存在するのは事実です。
自分が検討している働き方や転職先が、この一般的な水準と比べてどうなのかを冷静に比較することが、後悔しないキャリア選択につながります。

統計から見る看護師全体の給与水準

看護師の賃金動向をみると、全体としては他の女性労働者の平均より高い水準にありますが、その内訳には夜勤や時間外労働による手当が大きく関わっています。
常勤病棟看護師は、夜勤に加え時間外やオンコールなども含めて総労働時間が長くなり、その分の対価として平均年収が押し上げられている傾向があります。

一方で、外来やクリニック、健診など日勤中心の働き方を選ぶと、統計上の平均からは一段低いゾーンに位置することが多くなります。
そのため、平均年収の数字のみを見て、自分も同程度もらえると考えるとギャップが生じやすくなります。
重要なのは、夜勤回数やオンコールの有無など、労働条件の違いを前提に、自分が目指す働き方に近い層の年収レンジをイメージすることです。

日勤のみの平均年収の目安

日勤のみ看護師の年収目安をざっくり整理すると、常勤・フルタイムで働く場合、多くの地域で370万円から430万円程度のレンジに収まることが多いです。
都市部の大規模病院外来や企業系医務室、専門クリニックなどでは450万円前後に達するケースもありますが、求人数は限られ競争率も高くなりがちです。
一方、一般的なクリニックや介護施設では350万円前後からの提示となることも珍しくありません。

パートや非常勤で日勤のみを選ぶ場合、時給換算が主となるため、フルタイム換算しても常勤よりやや低い水準になることが一般的です。
ただし、扶養内で働きたい、週3日程度で十分といったニーズの場合は、年収の絶対額よりも時間の自由度を優先する価値観もあります。
自分の生活費や貯蓄目標と照らし合わせ、どの程度の年収が必要なのかを具体的に試算したうえで検討することが大切です。

夜勤あり常勤との年収差シミュレーション

日勤のみと夜勤あり常勤の年収差をイメージしやすくするため、一般的なケースをもとにシミュレーションしてみます。
以下の表は、夜勤1回1万円、月4回の夜勤を行っている看護師が、日勤のみへ変更した場合の年収差を簡略化して示したものです。

条件 夜勤あり常勤 日勤のみ常勤
基本給・諸手当 26万円 26万円
夜勤手当 1万円×4回=4万円 0円
月収 30万円 26万円
賞与(基本給3か月×年2回と仮定) 26万円×3×2=156万円 同上
年収目安 30万円×12+156万円=516万円 26万円×12+156万円=468万円

この条件では、年収差は約48万円となりますが、夜勤回数が増えたり、夜勤手当単価が高い施設では差がさらに大きくなります。
一方で、夜勤による心身の負担や家族との時間をどう評価するかは人それぞれです。
年収差だけに着目するのではなく、この金額差と得られるライフスタイルの変化を天秤にかけ、自分にとって納得できる落としどころを探ることが重要です。

日勤のみでも給料が比較的高い職場と働き方

日勤のみ=必ず給料が安いとは限らず、職場選びや働き方によっては、夜勤なしでも比較的高い収入を得ることが可能です。
ポイントは、医療機関や企業の収益構造、人材需要の高さ、業務の専門性の3つです。
収益性が高く、看護師の専門性が求められる現場ほど、夜勤がなくても給与水準が高くなる傾向があります。

例えば、訪問看護は在宅医療ニーズの高まりを背景に需要が増しており、経験を積むことで年収450万円以上を目指せるケースもあります。
また、美容クリニックや企業の健康管理室、健診センターなども、夜勤なしでも比較的高待遇の求人が見られる領域です。
それぞれの働き方の特徴と求められるスキルを把握することで、自分のキャリア志向と収入のバランスを取りやすくなります。

訪問看護ステーションでの働き方

訪問看護は、利用者の自宅に訪問して療養支援を行う在宅医療の要となる分野です。
基本的には日勤帯中心の勤務で、夜勤はない、もしくはオンコール対応のみという事業所が多数を占めます。
報酬体系は介護保険や医療保険に基づく訪問看護基本療養費で構成され、訪問件数に応じて売上が増える仕組みのため、生産性が給与に反映されやすい特徴があります。

経験者や管理者候補として採用される場合、年収450万円から500万円台の提示も見られ、夜勤なしとしては高水準といえます。
一方で、オンコールや緊急訪問、移動時間の負担、家族対応など、病棟とは異なるストレス要因もあるため、向き不向きの見極めが重要です。
在宅医療に興味があり、ある程度の自律性を持って動ける看護師には魅力的な選択肢となります。

美容クリニック・自由診療クリニック

美容皮膚科や美容外科などの自由診療クリニックでは、保険診療に比べて単価が高く、売上に対して人件費を厚めに配分できるケースが多くあります。
そのため、日勤のみ・完全予約制であっても、年収400万円台から500万円台の求人が見られることがあります。
夜勤がなく、日曜日休みや長期休暇制度を整えている施設も多いため、ワークライフバランスを重視する層に人気です。

ただし、美容領域ならではの接客力やカウンセリングスキル、施術の技術習得、売上目標の意識など、一般病棟とは異なる能力が求められます。
また、インセンティブ制度を取り入れているクリニックでは、成績によって給与が上下する可能性もあります。
美容に興味があり、人と話すことが好きで、自分のスキルで結果を出すことにやりがいを感じられる看護師であれば、高収入とやりがいの両立を図りやすい分野です。

企業内看護師・産業保健分野

企業の健康管理室や産業保健スタッフとして働く看護師も、基本的には日勤のみで比較的安定した収入を得やすい働き方です。
大企業やグループ企業内のポジションでは、年収レンジが400万円台から500万円台に設定されることもあり、土日祝休みや残業少なめなどの条件も加わるため、総合的な待遇面で人気があります。

ただし、求人自体は多くなく、選考倍率が高い傾向があります。
また、健康管理業務のほか、安全衛生委員会の運営、ストレスチェック対応、健康教育、産業医との連携など、医療現場とは異なる業務内容が中心となります。
臨床経験に加え、産業保健に関する知識やコミュニケーションスキルが求められるため、事前に情報を集め、必要に応じて関連資格や研修を検討するのも有効です。

健診センター・検診業務

健診センターや巡回検診などのフィールドも、原則日勤のみで働きやすい職場です。
採血や心電図、問診などルーチン業務が中心で、繁忙期と閑散期のメリハリがある点も特徴といえます。
給与水準は施設や地域により幅がありますが、常勤であれば年収380万円から430万円程度が一つの目安となります。

土日勤務が発生するケースや、早朝出勤・出張が必要な巡回健診など、勤務時間の特殊性が収入に反映されることもあります。
施術や救急対応は少ない一方で、スピードと正確性、チーム連携力が重視されるため、外来やオペ室経験者が適応しやすい傾向があります。
体力的な夜勤負担を減らしつつ、一定の収入を維持したい場合の選択肢として検討する価値があります。

日勤のみで給料を上げるためにできること

日勤のみで働きながら収入を維持・向上させるには、職場選びだけでなく、自分自身のスキルや経験の積み上げも大きな鍵となります。
単に夜勤を外すだけでなく、専門性を高めたり、管理職やリーダー職を目指したり、副業や資格取得を通じて収入源を多角化するアプローチも考えられます。
重要なのは、今の職場にとどまるか転職するかにかかわらず、戦略的にキャリアを設計する視点を持つことです。

また、税金や社会保険料を含めた手取り額に注目し、節税や資産形成を組み合わせて実質的な可処分所得を増やす工夫も有効です。
ここでは、日勤のみでも給料アップを図るために取り組める具体的な方法を整理して解説します。

専門性を高めて市場価値を上げる

同じ日勤のみのポジションでも、専門性の高い領域で活躍できる看護師は、給与交渉において有利な立場を取りやすくなります。
例えば、糖尿病療養指導、がん看護、皮膚・排泄ケア、在宅看護など、特定分野に関する知識と経験を持つ看護師は、外来や地域連携部門、訪問看護などで高く評価されることが増えています。

認定看護師や専門看護師などの資格取得は時間と費用がかかりますが、それに至らなくても、関連研修や学会参加、事例検討を通じて専門性を可視化していくことは可能です。
面接や評価面談の場では、どのような症例経験があるか、どのような役割を担ってきたかを具体的に伝えることで、日勤のみでも高めの給与レンジを提示してもらえる可能性が高まります。

管理職・リーダーポジションを目指す

日勤帯中心であっても、看護主任や師長補佐、教育担当などのポジションに就くことで、役職手当を通じて収入アップを図ることができます。
一部の病院では、夜勤に入らない管理職ポジションも存在し、マネジメント業務に専念する働き方が選べる場合があります。
この場合、シフト管理や人材育成、部署運営などの責任は増えますが、夜勤手当の代わりに役職手当や管理職手当で収入を維持するイメージになります。

管理職を目指すには、臨床スキルだけでなく、チームをまとめる力や問題解決能力、コミュニケーションスキルが欠かせません。
現場でリーダー業務を積極的に引き受けたり、委員会活動やプロジェクトに参画したりすることで、将来の評価につながる実績を積み上げることが重要です。
キャリア面談の場で、日勤中心の管理職を目指したい意向を上司に伝えておくのも一つの戦略になります。

資格取得やスキルアップで転職市場を広げる

日勤のみで高収入を目指すなら、特定領域にマッチした資格やスキルを身につけることも有効です。
例えば、訪問看護を目指すなら在宅療養指導や認知症ケア、終末期ケアの研修、美容クリニックを志望するなら美容皮膚科に関する知識や医療脱毛機器の扱い方などが挙げられます。
また、産業保健に興味がある場合は、保健師資格や衛生管理者資格が評価されることもあります。

オンライン研修やeラーニング、通信講座などを活用すれば、現職を続けながらでも少しずつ学びを進めることができます。
転職活動では、履歴書や職務経歴書に取得資格や受講歴を明記し、自身の強みとしてアピールすることで、求人の選択肢が広がりやすくなります。
結果として、日勤のみであっても、より高待遇のポジションに近づくことができます。

副業やスポットバイトを組み合わせる

本業は日勤のみとしつつ、空いた時間に副業や単発バイトを組み合わせることで、トータルの年収を引き上げる方法もあります。
看護師向けには、健診の単発業務、イベント救護、ワクチン接種会場、夜間の電話相談など、さまざまなスポット案件があります。
勤務先の就業規則で副業が認められているかを事前に確認したうえで、無理のない範囲で活用することがポイントです。

特に、土日や平日夕方以降に対応可能な看護師はニーズが高く、時給設定も比較的高めに設定されていることが多いです。
月に数回のスポット勤務でも、年間換算すると数十万円の上乗せが見込める場合があります。
ただし、過労による体調悪化や本業への支障を避けるため、働きすぎには十分注意し、自身のコンディション管理を最優先に考える必要があります。

日勤のみで働くメリット・デメリットと向いている人

日勤のみの働き方は、収入が下がる一方で、生活リズムが整いやすく心身への負担が軽くなるなど、多くのメリットも持ち合わせています。
重要なのは、給料の多寡だけでなく、自分の価値観やライフステージと照らし合わせて、どのような働き方が総合的に自分に合っているかを見極めることです。

家庭や育児との両立を優先したい人、体調面で夜勤が難しい人、学び直しや副業の時間を確保したい人などにとって、日勤のみは大きな選択肢になります。
一方で、短期間で貯蓄を増やしたい、年収を最優先したいといった価値観の場合は、別の戦略を考える必要があります。
ここでは、日勤のみのメリット・デメリットと向いているタイプを整理します。

日勤のみのメリット

日勤のみで働く最大のメリットは、生活リズムが安定しやすく、心身への負担が減ることです。
夜勤や長時間の交代勤務は、睡眠障害や自律神経の乱れ、生活習慣病リスクの上昇など、健康への影響が指摘されています。
日勤のみであれば、起床・就寝時間を一定に保ちやすく、食事や運動の習慣も整えやすくなります。

また、家族と過ごす時間を確保しやすい点も大きな利点です。
保育園や学校の送迎、家族の夕食時間、休日の予定などを立てやすく、家族のライフイベントにも参加しやすくなります。
さらに、夜勤前後の疲労感がないため、勤務後に勉強時間を確保したり、趣味や副業に取り組んだりと、キャリアや人生全体の幅を広げることにもつながります。

日勤のみのデメリット

一方、日勤のみの働き方には、収入面のデメリットがつきまといます。
前述の通り、夜勤手当がなくなることで年収が大きく下がる可能性があり、ローン返済や教育費、老後資金の積み立てなどに影響が出る場合もあります。
また、日勤のみのポジションは人気が高いため、希望条件を細かく指定すると募集枠が限られ、転職活動が長期化する可能性もあります。

さらに、急性期病棟を離れて日勤のみの職場に移ると、重症患者の看護や急変対応の経験が減り、将来的に病棟へ戻りづらくなると感じる看護師もいます。
専門性の方向性が変わることをプラスと捉えるか、マイナスと捉えるかは人それぞれですが、自分のキャリア展望を含めて慎重に判断する必要があります。

日勤のみが向いている人の特徴

日勤のみの働き方が向いている人の特徴として、第一に、健康面や家庭の事情で夜勤が難しい人が挙げられます。
持病のコントロールが必要な人、小さな子どもを育てている人、介護を担っている人などは、一定の生活リズムが保てる日勤のみの恩恵が大きいといえます。
また、自分の時間を大切にし、仕事とプライベートのバランスを重視する価値観の人にも適しています。

一方で、短期間で高収入を得たい人、救急や急性期で高度な臨床スキルを磨きたい人には、夜勤を含む常勤のほうが合っている場合があります。
どちらが正しいというものではなく、自身の年齢、家族構成、体力、キャリア目標などを総合的に考慮し、現時点で最も納得感のある働き方を選ぶことが重要です。
将来の方向性が変われば、その時点で再度働き方を見直す柔軟性を持つことも大切です。

日勤のみへ転向する際に後悔しないためのポイント

夜勤の負担から解放されたい一心で、条件をよく確認せずに日勤のみの職場へ移ってしまうと、入職後に給与や業務内容のギャップに悩む可能性があります。
後悔を避けるには、事前に情報を集め、具体的な数字と自分のライフプランを照らし合わせて検討することが不可欠です。

また、転職だけが唯一の選択肢ではなく、現在の職場で働き方を調整する方法や、将来を見据えた段階的なキャリアチェンジなど、複数のパターンを比較検討することも有効です。
ここでは、日勤のみへ転向するときに押さえておきたいポイントを解説します。

現在の収入と生活費のバランスを確認する

日勤のみになると収入がどの程度減るのかを把握するために、まずは現在の給与明細をもとに、夜勤関連の手当額を合計してみましょう。
夜勤手当、深夜割増、準夜手当などを月ベース・年ベースで算出し、それがなくなった場合の手取りをシミュレーションしておくことが重要です。
そのうえで、家計簿や銀行明細を振り返り、毎月の生活費や貯蓄額と照らし合わせて検討します。

もし、日勤のみへの転向で年間50万から100万円程度の減収が見込まれる場合、その差額をどう埋めるかを具体的に考える必要があります。
固定費の見直し、副業の検討、将来に向けた家計の再設計など、選択肢は複数あります。
感覚ではなく、数字に落とし込んで検討することで、転向後に思ったより苦しいと感じるリスクを減らすことができます。

求人票だけでなく実態を確認する

日勤のみの求人を探す際には、給与額や勤務時間などの条件だけでなく、実際の業務量や残業時間、人員配置などの実態も確認することが大切です。
求人票には、残業月10時間以内などと記載があっても、実際にはサービス残業が多い、休日出勤がある、といったケースも少なくありません。
可能であれば、見学や面接の際に、1日の業務の流れやスタッフ数、残業発生の理由などを具体的に質問するとよいでしょう。

また、日勤のみでもオンコール対応があるかどうか、早出や遅出がどの程度あるか、希望休の通りやすさなども重要な確認ポイントです。
給与面だけでなく、実際の働き方や職場文化が自分に合うかどうかを見極めることで、転職後のミスマッチを減らすことができます。
可能であれば、同じ職場で働いている看護師の声を聞く機会があれば、より具体的なイメージを持てます。

将来のキャリアプランとの整合性を考える

日勤のみの職場へ移ることが、自分の中長期的なキャリアプランとどうつながるのかを事前に整理しておくことも重要です。
例えば、将来的に在宅医療のスペシャリストを目指したいのであれば、訪問看護や地域包括ケアに関わる日勤のみの職場は大きなプラスになるかもしれません。
一方で、急性期看護のスキルを維持・向上させたい場合は、完全な日勤のみではなく、夜勤回数を減らすなどの調整案も検討する価値があります。

キャリアプランは一度決めたら変えてはいけないものではなく、ライフステージの変化に応じて柔軟に見直すものです。
しかし、大まかな方向性を持たずに目先のつらさだけで決断してしまうと、数年後に選択を後悔する可能性が高まります。
自分がどのような看護師として働き続けたいのか、どの領域で力を発揮したいのかを一度紙に書き出して整理してみることをおすすめします。

まとめ

看護師が日勤のみで働くと給料が安いと言われる主な理由は、夜勤手当の喪失と、日勤ポジションへの応募集中による賃金水準の抑制にあります。
一般的には、夜勤あり常勤と比較して年収が50万から100万円程度下がるケースもあり、転向前に具体的な収入シミュレーションを行うことが重要です。
一方で、日勤のみでも訪問看護、美容クリニック、企業内看護師、健診センターなど、比較的高収入を期待できる領域も存在します。

また、専門性の向上や管理職へのステップアップ、副業やスポットバイトの活用など、工夫次第で日勤のみでも収入アップを図ることは可能です。
大切なのは、収入だけでなく、健康状態や家庭状況、将来のキャリアプランとのバランスを踏まえて、自分にとって納得できる働き方を選ぶことです。
数字とライフスタイルの両面から冷静に検討し、一歩ずつ無理のない形で理想に近づけていきましょう。

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