看護師が転職を考える際に、病院見学はとても重要なステップです。自分が実際に勤務する環境や業務内容を確認することで、転職後のミスマッチを防ぎ、後悔のない職場選びに繋がります。
本記事では、病院見学で聞いておくべき質問のポイントと準備のコツを紹介します。看護師の働き方改革によって、夜勤免除や時短制度が拡充されています。
病院見学ではこれらの制度について質問し、自分に合う職場環境かを判断しましょう。
看護師が転職活動で病院見学時に用意すべき質問
転職活動で病院見学に臨む際、あらかじめ質問項目を用意しておくと安心です。病院見学ではホームページなどに書かれていない実際の施設環境や業務の詳細がわかります。
例えば初期配属先の科や看護体制、師長や先輩看護師の育成方針など、気になる点をしっかり確認できる機会です。自分に合った職場環境かどうか判断するため、事前に質問したいポイントを整理しておくことをおすすめします。
病院見学を有効に活用するには、聞きたいことをいくつかのテーマに分けて整理しておくと良いでしょう。以下のような項目を意識して質問内容を準備しておくと、当日の面談がスムーズになります。
配属予定の科や担当業務について
配属予定の科や担当業務について質問するときは、具体的な配置先や仕事内容の詳細をおさえましょう。例えば「最初に担当する科はどちらになりますか」「担当患者数の目安は何人ですか」などの具体的な質問で、自分がどのような業務に携わるのかイメージできます。
また、救急受け入れ体制やチームの人員構成、夜勤と日勤のバランスなども確認しておくと良いでしょう。
勤務形態やシフトの詳細について
勤務形態やシフトの詳細は、新天地での日常業務に大きく影響します。「夜勤は月に何回あるか」「夜勤のみ・日勤のみの希望は通るか」「当直やオンコールはあるか」など、具体的なシフト体制を質問しましょう。
働き方改革による残業時間の制限強化も意識して、残業が発生した場合の補償や繁忙時の体制なども確認しておくと安心です。
研修制度やキャリアアップに関する質問
研修制度やキャリアアップは、長くその病院で働く視点で確認したい項目です。新人看護師向けのオリエンテーションやプリセプター制度、院内外研修の機会・頻度など、教育体制について質問しましょう。
さらに認定看護師・専門看護師支援制度、資格取得補助、キャリアアップや管理職への登用実績など、自分の成長につながるサポート体制の有無も確認しておくと安心です。
職場環境や職場の雰囲気について
職場環境は長く続ける上で重要です。病棟での看護師同士の関係性やコミュニケーションの取り方、指導医や師長の人柄・方針について尋ねましょう。
実際の雰囲気を知るため、有給取得状況や昼休みの様子なども観察しつつ、看護師同士が働きやすい環境かどうか確認します。
給与・福利厚生について
給与や福利厚生に関する質問は、働き続ける上で欠かせません。基本給や賞与の支給実績、夜勤手当や通勤手当、住宅手当などの手当制度について確認しましょう。
また、育児支援制度(院内託児所、保育所補助など)や教育支援、看護協会への加入サポートなど、自身の生活やキャリアに関わる福利厚生制度も尋ねておくと良いでしょう。
病院見学とは?転職活動における意義
転職活動における病院見学とは、新たに応募を検討している医療機関を実際に訪問して職場の様子を見学することです。求人情報だけでは理解しにくい職場の雰囲気や実際の業務内容を、目で確かめられる貴重な機会です。
さらに、見学は自分の意欲を示す機会でもあるため、積極的な質問を通じて働く意識の高さをアピールできます。
病院見学の目的とは
病院見学の目的は、求人票やサイト上の情報だけではわからない職場の実際の状態を把握することにあります。具体的には設備の充実度、病棟の清潔さ、看護師間の連携状態など、働くうえで重要なポイントを現地で確認します。
また、見学中に質問することで、その病院の教育方針や雇用条件の詳細を直接聞き出せ、転職先選びに役立つ情報が得られます。
見学で確認できるポイント
見学で確認できるポイントは、職場のハード面とソフト面の両方です。ハード面では設備の充実度や清掃状況、使用している医療機器の最新度や電子カルテの導入状況などをチェックします。
ソフト面では職場の雰囲気に加え、看護師間のコミュニケーションや指示伝達の様子、ワークロードの管理状況なども観察しましょう。
見学が転職に与えるメリット
病院見学を行うメリットは、転職後に「思っていた職場と違った」という後悔を減らせる点にあります。実際の職場を見学することで、自分の想像とのギャップを事前に把握できます。
また、見学中に積極的に質問すれば、自らの熱意や関心を病院側に示せるため、面接では印象アップにつながることもあります。
病院見学前に準備すべきこと
病院見学に行く前には、転職で重視する条件や希望を整理し、訪問先で重点的に確認したい項目を明確にしておきましょう。例えば、希望する診療科目や通勤時間、働き方(夜勤・日勤の割合など)をあらかじめ決めておくと質問がぶれません。
また、見学前にその病院のホームページやパンフレット、口コミ情報などを調べ、基本情報や経営方針を把握しておくことも重要です。
次に質問リストを作成します。転職希望者の条件と病院側の特色を照らし合わせながら、「具体的に何を確認したいか」をリスト化しましょう。服装や身だしなみも大切です。清潔感のある制服やオフィスカジュアルな服装で訪問し、女性はネイルを控えめに、男性は髪型・ヒゲを整えるなど最低限のマナーを守りましょう。
最後に、当日は時間に余裕を持って行動し、メモと筆記具を用意しておきます。初対面の相手にも礼儀正しく挨拶し、緊張せず笑顔を心がけることで、好印象になります。
病院見学での質問マナーと注意点
病院見学では質問内容だけでなく、質問をするタイミングやマナーも大切です。スタッフから説明を受けている最中に要点を押さえて質問したり、最後にまとめて質問タイムを設けてもらったり、適切な機会をみて質問しましょう。一方で、話の途中で何度も遮ったり、説明を妨げるようなタイミングでは質問は避けるのがマナーです。
言葉遣いは丁寧な「です/ます」調で、相手の目を見て明るく話すようにしましょう。また、礼儀正しい態度も重要です。挨拶やお礼の言葉を忘れず、感謝の気持ちを示すことで好印象となります。質問をする際も、攻撃的・否定的にならないよう気をつけましょう。
避けるべきNG質問も押さえておきましょう。例えば、求人票に書いてある基本情報だけを尋ねるのは調査不足と思われることがあります。また、個人的なプライバシーに踏み込むような質問は避けてください。以下のような質問は控えましょう:
- 給与や待遇のみを尋ねる質問
→仕事への熱意が感じられず、印象が悪くなります。 - 病院の悪口や問題点を追及する質問
→相手が気分を害する恐れがあるので避けましょう。 - 宗教・政治などの私的な話題に関する質問
→転職面接では不適切です。
面談官への配慮も忘れずに。質問が終わったら礼を言い、メモをまとめましょう。帰り際にも「本日はありがとうございました」と挨拶し、明るい表情でお礼を伝えると好感度がアップします。
具体的な病院見学での質問例
以下に、病院見学で実際に役立つ具体的な質問例をテーマ別にまとめました。自身の希望に合わせて参考にしてください。
業務内容に関する質問例
- 「最初に担当する病棟は決まっていますか?」
- 「一人あたりの担当患者数は何人くらいですか?」
- 「業務中に使用する医療機器やシステム(電子カルテなど)はどのようなものですか?」
- 「記録業務やカンファレンスの時間はどのくらい確保されていますか?」
勤務形態に関する質問例
- 「夜勤は月に何回ありますか?また夜勤から日勤に戻るシフトパターンを教えてください」
- 「日勤のみや時短勤務の希望は叶えられますか?」
- 「休日の取り方や有給取得率について教えていただけますか?」
- 「残業が多い科はありますか?残業発生時の補助体制はどうなっていますか?」
研修制度・キャリア支援に関する質問例
- 「新人向けの研修やプリセプター制度はどのようなものがありますか?」
- 「院内外の勉強会や研修参加はどの程度可能ですか?」
- 「認定看護師や専門看護師を目指す場合の支援制度はありますか?」
- 「キャリアアップ研修への参加頻度や費用負担について教えてください」
職場環境・人間関係に関する質問例
- 「看護師間のコミュニケーションは円滑ですか?チームワークの特徴を教えてください」
- 「先輩看護師や師長の指導方針や人柄について教えていただけますか?」
- 「入職前に見学したい部署や人がいれば紹介してもらえますか?」
- 「職場の雰囲気(休憩室の様子、昼休みの過ごし方など)について教えてください」
待遇・福利厚生に関する質問例
- 「看護師の初任給やボーナスの平均支給実績を教えてください」
- 「夜勤手当や資格手当はどのような体系ですか?」
- 「院内託児所や提携保育所はありますか?育児短時間勤務制度の利用状況はどうですか?」
- 「看護協会費や学会参加支援など、教育・交流にかかるサポートはありますか?」
まとめ
病院見学は転職成功のための大切な機会です。実際に職場の雰囲気や制度を確認することで、入職後のギャップを防ぎ、自身に合った職場を選べます。
事前に質問したい事項を整理し、訪問時には積極的に質問してみましょう。マナーを守りつつ質問すれば、病院側にも好印象を与えられます。2025年の最新動向を踏まえ、給与・福利厚生、働き方に関する質問も忘れずに行い、自分のキャリアプランに合った職場を見極めてください。