集学的な予防・診断・治療・栄養管理を簡潔にまとめ、フットケアに携わる多職種スタッフに必携の書!
書籍情報
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- 編集
- 医療法人三和会東鷲宮病院副院長 水原章浩
- 杏林大学医学部付属病院看護師長 丹波光子
- 定価(本体3,500円+税)
- B5判/88頁/オールカラー/図58点・表22点
- ISBN 978-4-906829-18-7
- 発行日 2013年6月20日(第1版)
本書の特長
- 糖尿病は患者個々の体質のみならず、栄養や運動といった種々の環境要因が複雑に絡み合った結果表れてくる症候群です。そこにさらに創傷治療という多くの因子を有する病態が加わってくるのが糖尿病性足病変です。
- 糖尿病性足病変の患者さんひとりを診るためには、その病態の複雑さから、各科の医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、作業療法士など多職種スタッフの密接な連携が必要不可欠です。
- 代謝内分泌内科からは、糖尿病の疾患概念、診断、病態に応じた血糖管理と治療法など基礎的で基本的な内容を分かりやすく解説しました。
- 形成外科からは、糖尿病における創傷治癒に関する病態生理、代謝の特殊性を述べ、具体的に糖尿病性足病変の症例を挙げて栄養管理の実際を解説しました。
- 血管外科からは、創傷治癒を促進させる栄養素の可能性について豊富な経験をもとに解説しました。
- 管理栄養士の立場からは、糖尿病性足病変患者への栄養指導のポイントとして適正エネルギーの設定、栄養のバランス、食物繊維、ビタミン、ミネラルの大切さを創傷治療の観点から詳細に解説しました。
- 本書はフットケアに携わるすべての医療スタッフに役立ち、糖尿病性足病変のみならず糖尿病をもつ患者の創傷治療全般に応用できる内容となっています。
目次
- 1章 はじめに
- [A. 医師の立場からのポイント]
- 1. フットケアが大切な理由
- 2. 糖尿病と下肢切断
- 3. 米国およびわが国の糖尿病の実状
- 4. 糖尿病性神経障害と足創傷
- 5. 免疫力の低下と創傷との関係
- 6. インスリン欠乏と創傷治癒遅延
- 7. フットケアと栄養管理のかかわり
- [B. 看護師の立場からのポイント]
- 1. はじめに
- 2. 栄養障害のスクリーニング
- 3. 栄養ルートの選択
- 4. 栄養摂取量や食事内容の検討
- 5. 経腸栄養
- 6. 創傷治癒に効果のある栄養剤と補助食品の検討
- 7. 背景因子の観察
- 8. 栄養のモニターリング
- 9. おわりに
- 2 章 糖尿病性足潰瘍患者への血糖管理と栄養治療
- 1. はじめに
- 2. 糖尿病とは
- 3. 糖尿病の診断
- 4. 糖尿病の分類
- 5. 糖尿病の治療目標と糖尿病患者の評価
- 6. 糖尿病患者の食事療法
- 7. 糖尿病患者の運動療法
- 8. 糖尿病患者の薬物療法
- 9. 糖尿病患者の輸液や周術期の管理
- 10. おわりに
- 3 章 創傷の病態生理と栄養代謝への影響
- 1. はじめに
- 2. 創傷の種類
- 3. 正常な創傷治癒過程
- 4. 慢性創傷の病態と治療
- 5. 創傷が栄養代謝に及ぼす影響
- 6. 糖尿病性足潰瘍の栄養代謝への影響
- 7. 慢性創傷と栄養管理のエビデンス
- 8. 糖尿病性足潰瘍の栄養投与量
- 9. 糖尿病性足潰瘍の栄養指標
- 10. 実際の栄養管理
- 11. おわりに
- 4 章 糖尿病性足潰瘍患者への栄養指導
- 1. はじめに
- 2. 原因と問題点
- 3. 糖尿病と診断されたときからしっかりコントロールをしましょう
- 4. データが安定しても治療や食事療法は継続する!!
- 5. 適正なエネルギー量の食事を!
- 6. 適正エネルギーの算出
- 7. 必要な栄養をバランスよく摂る
- 8. PFCバランスを常に意識する
- 9. 食物繊維をしっかり摂取する
- 10. 血糖コントロールのための食事の基本
- 11. ビタミン類
- 12. 創傷治癒に重要なミネラル
- 13. アルギニンの効果
- 14. まとめ
- 5 章 経腸栄養剤による下肢血流改善の可能性について(アバンドTM、プロシュアTM)
- 1. はじめに
- 2. 下肢血流の評価
- 3. 経腸栄養剤の投与
- 4. 考察
読者対象
内分泌・糖尿病内科、腎臓内科、循環器科、血管外科、一般外科、皮膚科形成外科、整形外科などの医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、理学療法士、作業療法士ほか