全人的医療で自己治癒力を高め、健康に長生きするための漢方医学・中医学・薬膳とは
書籍情報
- 著者 日本鋼管福山病院透析センター長/内科腎臓専門部長 和田健太朗
- 定価(本体4,800円+税)
- B5判/176頁/図15点・表28点
- ISBN 978-4-906829-25-5
- 発行日 2013年9月20日(第1版)
本書の特長
- 筆者はこれからの医療には、人体を有機的(全体的に)に考えることや、精神と肉体の関連を重視する(漢方医学的には心身一如という)考え方が求められてくると予測しています。
- 中医学・漢方医学の考えでは自己治癒力を高めることで、「病気」やその一歩手前の「未病」を治そうというものです。
- 生物にとって「加齢」は避けられないものです。しかし、生きている限り、健康で(特に女性であれば美しく)、最期まで人様に迷惑をかけずに老いる方法を探していきたいものです。これが「ヘルシエイジング(健康に老いる)」の思想です。
- できるだけ早い時期(未病の段階)から「事前」に対策を打ち、疾病化するのを防ぎ、常に「中庸」の状態を維持していくという健康管理・養生が中医・漢方的な「老化」に対する治療です。
- 近年、我が国だけでなく世界の多くの国で漢方薬の新たな効果・適応疾患が注目されるようになっています。
- 本書は、ヘルシーエイジングに役立つ中医学・漢方治療として、実際にどのようなものがあるのかをわかりやすく具体的に紹介します。
目次
- 1章 現代の老化・加齢を取り巻く環境 〜東洋医学的観点から最先端の加齢医学研究までを含めて
- 1. 健康的に老いるためには?
- 2. 中医学と漢方医学
- 3. アンドルー・ワイル博士の「ヘルシーエイジング」に対するメッセージ
- 4. カロリー制限はなぜ加齢対策に重要なのか?
- 5.サーチュイン遺伝子を活性化させるレスベラトロール(Resveratrol)
- 2章 ヘルシーエイジングと中医学・漢方治療(総論)
- 1. 長寿科学が期待する東洋医学の未来予測とは?
- 2. 東洋医学におけるヘルシーエイジングの思想とその歴史的背景とは?
- 3. 漢方薬・生薬による「補腎」作用とヘルシーエイジング
- 3章 漢方医学の理論の基礎知識
- 4章 漢方治療で必要な注意事項
- 1. 漢方とエビデンス(EBM:Evidence-based Medicine)
- 〜漢方は西洋的なエビデンスに馴染まない?
- ・漢方は本当に効くの?
- 5章 ヘルシーエイジングと中医学・漢方治療(各論)
- 1. 加齢に伴う疾患(老年期症候群)と漢方治療
- 1)「先天の気の減少を抑える」処方(腎の強化を目的に)
- 2)「後天の気の回復」を目的とした処方
- 3)血液循環を改善させる処方(駆瘀血剤)
- 4)嚥下障害を改善させる処方
- 5)更年期障害に伴う症状を改善させる処方
- 6)高齢者の全身症状に対する漢方処方
- 7)認知症とその周辺症状に対する処方
- 8)動脈硬化・脂質異常症・高血圧症に対する処方
- 9)「未病」に対する処方
- 10)「最期」まで自分らしく、元気でいるための処方
- 11)白髪・抜け毛の改善のための処方
- 12)肥満改善のための処方
- 2. 高齢化社会において漢方治療は医療経済的にも期待されている
- 6章 代表的な漢方薬(保険診療で使用可能なもの)とその構成成分
- 7章 生薬の解説(代表的なもの)
- 8章 漢方独自の用語解説
- 9章 薬膳について
- 1. 季節にあった食養生
- 2. 薬膳に用いられる主な食材とその解説(五十音別列記)
- 10章 中医学・漢方医学・薬膳によるヘルシーエイジングの目的(総括)
読者対象
全科医師、薬剤師、看護師、医学・薬学・看護学生、一般