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抗がん薬などHazardous Drugsの曝露対策の構築とその実践に必携の書!
書籍情報
- 監修
- 日本赤十字社 武蔵野赤十字病院 副院長兼看護部長 若林 稲美
- 著者
- 日本赤十字社 武蔵野赤十字病院 看護部 師長 古澤 恭子
- 定価(本体3,300円+税)
- B5判/80頁/オールカラー/写真59点・図15点・表20点
- ISBN978-4-906829-74-3
- 発行日:2017年4月10日(第1版)
本書の特長
- 1935年「実験動物で抗がん薬には発がん性がある」とのイギリスでの報告をきっかけに、「抗がん薬は医療関係者の健康にも影響を及ぼすHazardous Drugs(HD)である」と定義し、多くの国で、国家レベルおよび学会レベルでのガイドラインを策定し、その遵守を推進してきました。
- 日本では、1991年、日本病院薬剤師会の「抗悪性腫瘍剤の院内取り扱い指針」を皮切りに、がん薬物療法における曝露対策の重要性が示され、2015年に日本がん看護学会など3学会合同で、「がん薬物療法における曝露対策合同ガイドライン」が作成されました。
- 本書の第1章では、がん薬物療法に関わる医療関係者の職業性曝露を予防し、安全に働く環境を提供するために必要なHDについての正しい知識、健康への危険性、曝露対策に必要な物品、個人防護具、投与管理時の曝露対策、排泄物の取り扱い、抗がん薬がこぼれたときの曝露対策などをフルカラーでわかりやすく解説します。
- 第2章では、実際は、ガイドラインで推奨されている物品を導入することさえも容易ではない施設や、ガイドライン通りに対策を整えたくても、病院の役割機能や費用対効果などの理由により、組織からの理解を得ることが難しい場合などに、ガイドラインに基づいた方法をどのように考え、どのように工夫することができるかを、交渉術の実例を紹介しながら、曝露対策構築のプロセスを紹介します。
- 著者の従事する武蔵野赤十字病院は、東京都の地域がん診療連携拠点病院として、ガイドラインに先がけ2011年よりマニュアルを作成し、調製、運搬、投与、廃棄、排泄物、汚染、こぼれた時などの作業場面ごとに、準備、実施方法、看護上の留意点の見える化を図り、曝露対策に早くから取り組んできました。第3章では、2015年のガイドラインに基づき改訂した最新のマニュアルを公開します。
- 最後に、曝露対策の教育、推進を実施するときには、医療従事者の不安や恐怖心を不要にあおらないように努めることが大事です。本書からHDとその曝露、そして曝露対策についての正しい知識を身に着け、医療従事者の不安を軽減することと、身を守るための曝露対策であることを常に意識し、継続的に遵守できる方法を構築し、教育・推進に取り組むことを願います。
目次
- 序章
- 1. 武蔵野赤十字病院の紹介
- 2. がん薬物療法における曝露対策の必要性と実際
- 第1章 がん薬物療法における曝露対策に必要な知識
- 1. Hazardous Drugs(HD)とは何か
- 2. 抗がん薬による健康への危険性のレベル
- 3. 職業性曝露による健康への被害
- 4. 曝露の経路と機会を知る
- 5. 曝露対策に必要な物品を知る
- 6. 抗がん薬取り扱い作業ごとのPPE(Personal protective equipment: 個人防護具)の一覧
- 7.投与管理時の曝露対策
- 8.排泄物の取り扱い時の曝露対策
- 9.抗がん薬がこぼれたときの曝露対策
- 第2章 がん薬物療法における曝露対策構築のプロセス
- 1. マニュアル作成と改訂までのプロセス
- 1)現状調査
- 2)問題の抽出
- 3)問題提起
- 4)関連部署への報告・相談・調整
- 5)構築の実際
- 6)対策に向けた教育・推進
- 7)成果評価
- 8)見直しと改訂
- 第3章 武蔵野赤十字病院におけるがん薬物療法に対する曝露対策マニュアル(2016年度改訂版)
読者対象
がん薬物療法に携わる医師・看護師・薬剤師などすべての医療従事者と患者・家族、抗がん薬などHD運搬従事者